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説明
🏀 インバートスクリーン(Inverted Screen)とは
概要
インバートスクリーン(Inverted Screen) とは、 通常とは役割を逆にしたスクリーンプレーを指します。
一般的なピック&ロールでは、 「ビッグマン(センターやパワーフォワード)」が「ガード」にスクリーンをかけますが、インバートスクリーンでは “ガードがビッグマンにスクリーンをかける” という構成になります。
英語の invert(インバート) は「逆にする」という意味で、スクリーンを使う側(ユーザー)と、かける側(スクリーナー)の役割が逆になることからこの名が付いています。
💡 インバートの意味と構造
通常のピック&ロール | インバートスクリーン |
---|---|
ビッグマンがガードにスクリーンをかける | ガードがビッグマンにスクリーンをかける |
ガードがスクリーンを使ってドライブ | ビッグマンがスクリーンを使ってポップやカットを行う |
インサイド中心の展開 | 外(アウトサイド)を活かす展開が多い |
この「逆転構造」により、ディフェンス側にスイッチミスマッチを生じさせ、スモール選手 vs ビッグマン という不利なマッチアップを作り出すことが狙いです。
🎥 基本の動き
- ペイント外(エルボーやトップ付近)でビッグマンがボールを保持。
- ガード(またはウィング)が近づき、ビッグマンに対してスクリーンをセット。
- そのスクリーンを利用して、ビッグマンが外側(ポップ)または内側(ロール)へ動く。
- ディフェンスがスイッチやヘルプを誤ると、ミスマッチやフリーショットが発生。
🧠 戦術的な狙い
狙い | 内容 |
---|---|
ミスマッチの創出 | ガードに守られていたビッグマンがスイッチを誘い、ポストアップやシュートチャンスを得る。 |
ディフェンスの混乱 | 通常のスクリーナー想定が崩れ、マークの受け渡しが遅れる。 |
外のスペース活用 | ビッグマンが外でボールを扱えるチームに特に有効。 |
⚙️ バリエーション
種類 | 内容 |
---|---|
インバート・ピック&ロール | ガードがスクリーンをかけ、ビッグマンがロールやポップで展開。 |
インバート・ハンドオフ | ガードがスクリーンをかけた後、すぐにハンドオフを受ける流れに発展。 |
インバート・スクリナー・アクション | 複数の小柄な選手が連続でビッグマンにスクリーンを仕掛け、複合的に崩す。 |
🏀 実際のプレー例(Bリーグより)
▶ 岸本隆一(琉球ゴールデンキングス)のラストシュート
2023-24シーズン第8節・琉球 vs 島根戦では、岸本隆一選手がダーラム選手にスクリーンをかける「インバートスクリーン」 が展開されました。
- 岸本がダーラムにスクリーンをかけ、外(ポップ)に開いてフリーで3Pシュート。
- 一方でダーラムはスクリーンを利用して中へアタックできる体勢を作る。
- 結果、シューター(岸本)とアタッカー(ダーラム)の両脅威を同時に成立させた形。
このように、琉球は今村・松脇ら複数のエリートシューターを有するため、 インバートスクリーンによる**“外に開くポッププレー”が非常に強力**です。
💡 強さの理由
- ポップ(外に流れる動き)でフリーになりやすい → ディフェンスは通常「ロール(ゴール方向)」を想定して守るため。
- ダーラムの突進力 × シューター陣の存在 → わずかなズレでもレイアップ or 3P という二択を突きつけられる。
- 読まれていても止めにくい → “反転構造”によって守備ローテーションが自然に遅れる。
💬 まとめ
- インバートスクリーン=スクリーンの役割を逆にした戦術。
- ガードがビッグマンにスクリーンをかけ、スイッチやポップでミスマッチを生む。
- 琉球ゴールデンキングスなど、シューター×フィジカルアタッカーを併せ持つチームで特に有効。
- 現代バスケの「ポジションレス戦術」を象徴する、極めて効果的なプレーメイク。
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